大和の国三輪山麓に鎮座する大神神社の祭神である「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)をご神体とし、能楽「三輪」の後シテの女神像で表しています。
「古来一社の神秘なり」として、三輪山の大神神社に現存する三ツ鳥居は、全国鳥居多くあれどこの形式は唯一無二のものです。本町三輪山鉾の正面には、澄みきった心身で神に近づく意で、この三ツ鳥居が神門として飾られています。そして、この三ツ鳥居の箱書きから、寛延2年(1749年)に建造されたことを知ることができます。
また、当町に残る「三輪山神記」等によると、当初は舁山として建造されましたが、天明元年(1781年)、曳山の鉾として改装されました。山鉾を飾るイギリス製の胴幕やインド製の見送幕などは、このころに新調されたものです。
亀岡祭は、戦後しばらく中断していましたが、昭和28年ごろに復活し三輪山鉾だけが町内の巡行を続けました。鉾町民の維持、保存継承にかける心意気と未来に向けた不断の努力を、この囃子の音色に感じていただけたらと思います。